中国と「戦わずして負けない」ために 国交正常化50年、対話の力

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聞き手 編集委員・吉岡桂子
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 日中国交正常化から50年を迎えた。かつて日本が援助した中国の経済規模は今や、日本の4倍近くに膨らんだ。国際政治を揺さぶる巨大な隣国はどこへ向かうのか。どう向き合えばいいのか。青年期を北京で過ごし、中国最大の国有証券会社、中信証券で投資銀行部門を率いた経験を持つ徳地立人さんに聞いた。(聞き手 編集委員・吉岡桂子

 ――1972年9月の国交正常化を北京で迎えたそうですね。

 「ちょうど20歳でした。父の仕事の関係で横浜から北京へ渡り、8年が過ぎたころです。中国は文化大革命のさなか。同じ世代の若者は農村へ送られ、私自身は自動車修理工場の労働者を経て、母が勤める学校で英語の聴講生をしていたころです。国交正常化を民間でもお祝いしようと友達が自宅でギョーザを作ってくれ、皆で白酒(パイチウ)で乾杯した。うれしかったです」

 ――中国の人々は国交正常化をどう思っていましたか。

 「日本の侵略を記憶している人が多く、不満な人もいたと思いますが、田中角栄首相が訪中するまでの様子を中国政府が発信するニュースなどで見ていたので、大多数は歓迎していたと思う」

 ――文革と重なっていますね。

 「文革は中国の厳しい本質を…

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    江藤名保子
    (学習院大学法学部教授=現代中国政治)
    2022年9月30日12時0分 投稿
    【視点】

    中国と日本のいずれもを生活者として中から見つつ、客観的に語っておられる興味深いインタビューでした。国交正常化50周年にあたって「地政学的には日中関係は過去50年で最も厳しい状況」と評されています。 中国の対外政策について、「指導層の変