浸水被害から3年、よみがえった芸術 修復1.5万点の一部を展示
浜田奈美
2019年10月の台風で浸水被害にあった川崎市市民ミュージアムの収蔵品のうち、修復を終えた一部が同市幸区のミューザ川崎シンフォニーホールで公開されている。深刻なダメージを受けたロートレック作品など約60点が、3年の時を経て見事によみがえった。
川崎市市民ミュージアムは1988年、博物館と美術館の複合文化施設として、同市中原区の等々力緑地に開館した。「都市と人間」をテーマに、漫画や写真、ポスターなど複製芸術を柱に約26万点を収蔵している。
しかし3年前の台風19号で浸水被害にあい、建物の地下部分にあった九つの収蔵庫がすべて浸水した。全体の9割近い約23万点が被害を受けた。
市は被災直後に文化庁に支援を要請。東日本大震災の被災地で本格化した「文化財レスキュー」の枠組みを使い、全国の美術館や博物館のほか、専門的な修復技術をもつ各団体の協力を得ながら修復を続けてきた。これまでに約1万5千点の修復が完了した。
今回の展示では、フランスの…