サツマイモがピカピカ光って見えた 母の短歌とたどった83歳の記憶

有料記事

福田祥史
[PR]

 茨城県利根町の鳥居士郎さん(83)はこの夏、町が開いた企画展「史料が語る戦争のきおく」に、自身の体験を文章で寄せた。終戦から77年。当時の苦労の上に今の日本があると知ってもらえれば――。そう考えてのことだった。

 6歳の時、旧満州中国東北部)で終戦を迎え、母と2人で引き揚げてきた。後に父と妹は亡くなったと聞かされた。ただ、幼かった頃の記憶は途切れがちで、自ら進んでその体験を話すことはなかった。

 転機は6年前。当時中学2年生だった孫娘から、戦争体験者の話を聞いて新聞にする夏休みの宿題への協力を頼まれ、初めてまとまった形で話をした。平和を願う気持ちが育ってくれれば、との思いを込めた。

 しばらくして、そのときに話した内容をまとめ、知人が作る雑誌に寄稿した。「孫に伝えた戦争体験――母の歌とともに――」と題し、母静子さんが詠みためていた短歌を整理して、自身の体験に添えた。町の企画展に提供したのは、その文章だった。

 戦帽の顔をそむけて征(ゆ)きし夫(つま)かき消すごとく此(こ)の世に在らぬ

 父寅夫さんは終戦の年の19…

この記事は有料記事です。残り1011文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。