八十二銀と長野銀が統合へ 2025年に合併方針、県内唯一の地銀に
長野県内に本店を置く八十二銀行(長野市)と長野銀行(松本市)は28日、来年6月をめどに経営統合をすることに基本合意したと発表した。長野銀行が完全子会社として八十二銀行の傘下に入り、2025年をめどに合併する方針。競合してきた2行は店舗の統廃合による経営の効率化も検討。県内唯一の地方銀行として、人口減少で厳しさが増す地域経済を支える。
両行の頭取は28日夕方、長野市内のホテルで開いた記者会見で、合意への経緯を説明した。
八十二銀行の松下正樹頭取によると、長野銀行側に経営統合を打診したのは昨夏ごろ。県内の人口減少に加え、超低金利により貸し付けで利益の確保がしにくいなど、厳しい経営環境が続いていた。両行とも「経営に厳しさが増していく」という認識で一致。サービスの維持やデジタル化、脱炭素化など社会構造の変化に対応するには、経営統合が必要との結論に至った。
顧客獲得や金融サービスで競い合ってきた2行の統合合意に松下頭取は、「競合先として切磋琢磨(せっさたくま)してきたが、大きく変化する時代においては、『競争』から『共創』に進化していく必要がある」と話した。長野銀行の西沢仁志頭取も「地域社会に資するという共通認識のもと合意に至った。5年後、10年後を考えたときに(経営統合が)最善の策と判断した」と話した。
八十二銀行は昨年、投資関連…