真っ暗な道で黙り込む男児 「どうしたの?」続けたたわいない会話

川辺真改
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 行方不明届が出され、警察が捜索していた7歳の男児を保護したとして、富山県警砺波署は28日、砺波市内の親子3人に感謝状を贈呈した。

 今月15日午後8時40分ごろ。同市太田のパート、大窪美紀子さん(43)と、介護職員の愛莉さん(18)、中学2年生の優誠さん(13)の3人は、外食先から車で自宅に向かっていた。道中、ライトに照らされた人の姿に運転していた愛莉さんが気付いた。

 「人影が見えたよね?」

 愛莉さんの言葉に母の美紀子さんも反応した。その小さな背丈から、子どもだと分かった。

 田園地帯に民家が点在する砺波平野。田んぼ道に街灯はなく、真っ暗だった。

 すぐに道端に車を止め、美紀子さんが駆け寄った。男児は体操服姿で、汗だくだった。美紀子さんはひとまず、ライトのついた車のそばまで男児を抱きかかえて連れて行った。

 「ぼく、どうしたの?」

 男児は黙り込んでいた。美紀子さんはさらに言葉をかけた。

 「どこから来たの?」

 「お父さんと買い物をしていて、いなくなった」

 男児は自宅の電話番号を答えられなかったという。美紀子さんは110番通報した。

 署によると、男児は午後6時ごろ、発見場所から約1・5キロ離れた商業施設で父親とはぐれた。自力で帰宅しようとしたが、暗くて道に迷い、自宅とは異なる方向へ歩いてしまったという。家族は午後8時ごろに行方不明届を提出。署員が捜していた。

 警察に正確な場所を伝えるため、優誠さんは電柱番号を探した。美紀子さんは男児が不安にならないよう、たわいのない会話を続けた。通報から約10分。男児は署員に保護された。

 28日に感謝状を受け取った美紀子さんは、当夜を振り返り、涙をぬぐった。「お母さんの気持ちになると、どれだけ心配だっただろうな。無事に帰ってくれてよかった」(川辺真改)