手当たり次第にバールでウニをつぶし駆除 藻場を守る新たな取り組み

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清野貴幸
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 良いと信じて続けた方法を変えるのは勇気が要る。自然が相手の漁業ではなおさらだろう。海藻が減る「磯焼け」の要因とされるムラサキウニを駆除する新たな方法を、鳥取県が今年度から始めた。従来の駆除ではかえって食害を続けるウニを助けているのではないか――。そんな「反省」からだという。

「何時間かかっても取り尽くす」

 「10年前からやっているが、いまだに減らない」。9月上旬、鳥取市青谷町の長和瀬漁港。漁師で県漁業協同組合の宮脇正也さん(50)が近くの県立青谷高校生を相手に話しかける。地域の課題研究に取り組む授業「青谷学」の一コマだ。続いて県漁協の古田晋平さん(68)が、ワカメ、ホンダワラといった海藻の役割や、ウニの食害や海水温の上昇で県沿岸の藻場が約20年前に比べ急減している現状を解説した。熱心に聞いていた生徒たちはウニの殻を自分で割り、卵と一緒にご飯にかけて味わった。

 県漁協は県の委託を受け6月から、これまでとは違った新たなウニの駆除方法に取り組んでいる。「集中駆除」と呼ぶ方法で、10メートル四方程度に設定した区域内に潜った漁師やダイバーが、手当たり次第にバールですべてのウニをつぶしていく。岩の裏に隠れた個体も探し出す徹底ぶりで、「何時間かかっても取り尽くす」と宮脇さん。つぶしたウニは魚などの餌になり、海を汚さないという。

 県の事業は2年間で、今年度は約2千万円をかけて県漁協など3漁協に委託。沿岸14カ所で集中駆除に乗り出している。それぞれ1カ月ほどの間隔で5回程度実施。これまで3回駆除に当たったという宮脇さんは、日当が支給されても漁に出るより収入が減ることがあるといい、「漁場を守る目的でやっている」。(清野貴幸)

広く浅くは逆効果? 身入り悪く食用に向かず

 これまでの駆除方法に問題が…

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