第13回国葬ではない「国葬儀」 橋爪大三郎さんが英国と比べて感じたこと

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 安倍晋三元首相の国葬が27日に行われました。政治や宗教、歴史など幅広い分野に通じる社会学者、橋爪大三郎さんは今回の国葬をどう見たのか。寄稿してもらいました。

インタビューシリーズ「国葬を考える」

安倍晋三元首相の国葬をめぐり、世論の賛否が割れています。首相経験者としては1967年の吉田茂氏以来戦後2例目となる今回の国葬をどう考えたらいいのでしょうか。様々な角度から有識者らに聞きました。

 安倍晋三元首相の国葬儀が、9月27日に行われた。これが国葬では「ない」ことが、重要だ。

 戦前には国葬令という勅令(法律に相当)があった。天皇、皇族や政治家らの国葬が行われた。政治家の国葬はしばしば政治利用された。1943年の山本五十六連合艦隊司令長官の国葬も、戦意高揚のためであった。その反省もあってか戦後、国葬の法律は定められないままで来た。

 法律の根拠がないことを、政府は行えない。佐藤栄作政権は吉田茂元首相の国葬儀を行うと、閣議で決めた。この決定は物議をかもした。今回は、そのあと内閣府設置法で「国の儀式」を行うと定めたことを根拠に、国葬儀を行うと岸田文雄政権が閣議決定した。

「これはパイプではない」という絵のよう

 画家ルネ・マグリットに「これはパイプではない」というパイプの絵がある。パイプなのかパイプでないのか、観(み)る者はキツネにつままれたような気分になる。国葬儀はどうだろう。政府は「国葬ではなく国葬儀です」と及び腰だ。国民はやはりわけがわからない。内閣・自民党合同葬ではだめなのか。世論は拒否反応を示した。

 では法律がないと、国葬はで…

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    奥山晶二郎
    (サムライトCCO=メディア)
    2022年9月30日21時58分 投稿
    【視点】

    国葬儀あるいは国葬について決定版ともいえる論考かと思いました。 賛成、反対に限らず日頃、接する報道には、どこか「そういうことなんだっけ?」というモヤモヤがぬぐえ切れなかったのですが。 それは、首相としての評価と、実施に至るまでの

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