仕入れ価格「絶対に知られたくない情報」 特に回転ずし業界では…

有料記事

大山稜
[PR]

 回転ずし大手「かっぱ寿司」運営会社の田辺公己社長(46)を、警視庁が逮捕する方針を固めた。古巣の「はま寿司」の仕入れ価格に関するデータを持ち出した不正競争防止法違反の疑いがあるという。同業他社への転職時に持ち出されたとされる仕入れ価格の情報。回転ずし業界で、どれほど重要な情報なのか。

 外食市場調査を手がける「エヌピーディー・ジャパン」の東さやか・フードサービスシニアアナリストは、「飲食に限らず、あらゆる業界において重要な、誰もが欲しがるデータ」と言う。

 例えばライバル社に仕入れ価格を知られると、ライバル社が仕入れ先との値下げ交渉を有利に進められるようになり、価格競争で後れを取るおそれが生じる。仕入れ価格は店の利益や運用コストの基礎になるデータでもあり、他社には「絶対に知られたくない情報の一つ」と東さんは話す。

 また、スーパーマーケットのような小売業と比べて飲食店の場合は仕入れ先が限定的で、ライバル社と競合するケースが多いため重要性はより高まるという。特に回転ずしチェーンは100円皿など「安さ」を売りにしてきた価格競争の激しい業界でもあり、仕入れ情報の価値は「ほかの業界と比べても高い」とみる。

 田辺社長は今年4月の朝日新…

この記事は有料記事です。残り371文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(春トクキャンペーン中)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料