白バイのエースからカフェ店主へ まさかの転身招いた一杯との出会い

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小川裕介
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 2017年はじめ、浜田孟士さん(39)は職場近くにあったカフェに入った。

 白バイ隊員などで約14年働いてきた福岡県警を辞め、住宅メーカーに転職して半年が経っていた。白バイに乗っていたころ、仕事に疲れて飲むのは缶コーヒーだった。

 焙煎(ばいせん)してまもない豆の香りが店内を包んでいた。一口飲む。

 おいしい――。人生で初めての感覚だった。

 あれから5年あまり。福岡県福津市のJR福間駅近くで20席ほどのカフェを営む。

 かつては交通違反切符を切っていた手で出すのは、コーヒー豆の生産や選別、輸送が管理されているスペシャルティコーヒーだ。

 福岡市などからも客が訪れる。多いときは月に約2千人。コロナ禍でも売り上げがのびた。

 「バイクを操るしかスキルのなかった自分がカフェを開いている。人生はセレンディピティーだと思うんです」

 セレンディピティーとは、偶然に価値あるものを見つけたり、出会ったりすることだという。

「警察なら白バイをめざせ」 父の教え 

 鹿児島県の「自衛隊一家」に生まれた。父は陸上自衛隊勤務で、親類も自衛官が多い。父の教えは二つだけだった。

 「警察の世話になるな」…

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