第8回「農作業はエンタメだ」 東京から移住、「ゆる田舎」生活のコツは

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聞き手・西江拓矢
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 6年前に東京から千葉県に移住して、半農半X的な暮らしを始めた漫画編集者の熊谷順平さん(41)と妻の熊野友美さん(43)。田んぼでコメを育てて自給し、畑で野菜を作っている。熊谷さんが原作を担当した漫画「漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件(イナイセ)」(講談社)も生まれた。農ある暮らしで得たもの、たどり着いた「ゆる田舎」について2人に聞きました。

 漫画編集者の熊谷順平さんは、会社を辞め、コスプレイヤーとして活動していた妻の熊野友美さんと一緒に、2016年5月、東京都渋谷区から千葉県匝瑳市に移住。しかし、古民家の暮らしが合わず、2カ月ほどで同県成田市の築浅アパートに移住した。いまは、成田空港近くの水田で自給用のコメを作り、畑で野菜を育てている。熊谷さんが原作を担当した漫画「漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件」(講談社)は、4巻で完結。「ゆる田舎」への道のり、みそ造りなど実体験をもとに描いている。

 ――農的な暮らしを始めて感じることは?

 (熊谷)会社やお金に頼って生きていく都会の暮らしから、土に依存する、頼る暮らしに変わりました。一部だけでも土に頼る生活は、安心感がすごいです。揺るぎなさは会社やお金とは比較になりません。毎年、1年分のお米を用意してくれるという信頼感。ここに頼って生きていけば良いんだと、気持ちも楽になります。

 自然の大きな循環のなかにいることの安心感。ウグイスが鳴き出したな、カエルが出てきたなとか、そろそろ田んぼの季節が来るなとか。大きなサイクルの中に人間もいると感じられることがうれしい。

 ――コメ、野菜に加え、みそも造っています。

 (熊谷)東京で移住を考えていたころからみそ造りに参加しました。特別な技術や設備がいると思っていましたが、すごく簡単にできてしまう。そして、できたものがすごくおいしい。自分にも造れるんだと自信になりました。今まで買うしかないと思っていたものが造れた。こういう自信をちょっとずつ積み重ねていけば、会社を辞めても生きていけるかもと。

 みそ造りなど、自分ではできないと思わされていることがすごく多い。でも、その行為自体がすごくおもしろく、楽しい。やってこなかったことは損しているかもと思いました。

 (熊野)農作業は、きつくて、汚くて、嫌なものだと、よくないイメージがありました。でも、実際にやってみると、労働じゃなくて、エンターテインメントだな、楽しいことだなと。育成ゲームみたいだけど、ゲームと違ってリアルに食べられるし。

 草取りも楽しい。田んぼに裸…

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