春日大社・若宮国宝展、12月から奈良国立博物館で開催

筒井次郎
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 世界遺産春日大社奈良市)の摂社(せっしゃ)・若宮神社の社殿を造り替える「式年造替(ぞうたい)」の完了を記念し、奈良国立博物館で12月から特別展「春日大社 若宮国宝展―祈りの王朝文化―」(朝日新聞社など主催)が開催される。春日大社で30日、記者会見があった。

 若宮神社は平安後期の1135年の創建で、春日大社ゆかりの神を祭る「摂社」にあたる。祭神の春日若宮神は五穀豊穣(ほうじょう)や学問の神として信仰されてきた。式年造替は約20年ごとにあり、43回目の今回は10月28日に完了する予定。毎年12月の例祭「春日若宮おん祭」は1136年に始まり、900年近く続く奈良の冬の風物詩だ。

 特別展では国宝24件、重要文化財10件を含む約90件を出品する(前後期で一部入れ替え)。

 若宮神社の創建当初に奉納された品々で、「平安の正倉院」とも呼ばれる「若宮御料古神宝類(わかみやごりょうこしんぽうるい)」(国宝)がすべて公開される予定。純金の鶴が銀の枝にとまる「金鶴及銀樹枝(きんつるおよびぎんじゅし)」と、造替に合わせて人間国宝(彫金)の桂盛仁さんが制作した復元新調品を展示する。

 社殿から出された鎌倉時代の獅子と狛犬(こまいぬ)が初公開される。若宮神社の一部が描かれた鎌倉時代の絵巻物「春日権現験記絵(かすがごんげんげんきえ)」(国宝)も展示する。

 春日大社の花山院弘匡(かさんのいんひろただ)宮司は「平安時代の王朝の美と(復元品で)当時の貴族が見た輝きを見て頂きたい」と話した。

 会期は12月10日~来年1月22日。原則月曜と年末年始休館。一般1600円、高校・大学生1400円、小中学生700円。問い合わせはハローダイヤル(050・5542・8600)。(筒井次郎)

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