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「第8波」に向け見えた課題 インフルとの同時流行に懸念強まる

新型コロナウイルス

倉富竜太
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 3年ぶりに行動制限のない秋を迎え、各地で開かれるイベントも例年通りの形で行われるようになってきた。一方で、今季は新型コロナウイルスインフルエンザの同時流行への懸念が強まっている。オミクロン株により急激に感染が拡大した夏の「第7波」を経て、「第8波」に備えた新たな課題も見えてきた。

 10月19日に開かれた大分県議会新型コロナの特別委員会。社会医療法人三愛会の三島康典理事長が、ある事例を紹介した。「第7波の最中、コロナに感染していない熱中症の女性が11病院から計14回受け入れを断れ、翌日亡くなった」

 県消防保安室によると、亡くなったのは当時55歳の県内の女性。今年8月の休日午後6時台、40度の高熱が出て、意識不明の状態で救急搬送された。対応した救急隊は新型コロナの感染を疑い、コロナ病床がある病院に受け入れを要請したが、空きがないことや休日で対応できる医師がいないことを理由に受け入れを断られ、搬送されるまで1時間42分かかったという。

 病院での検査で女性は新型コロナに感染していないことが分かり、別の病院に転院したが、翌日死亡した。死因は、重い熱中症だった。

 県は、このようなケースが起きないよう、インフルエンザと同時発生するとも懸念されている第8波に向け対策に乗り出した。

 この女性の場合は熱中症だったが、今後、インフルエンザにかかり高熱になった患者を搬送するケースも想定される。消防保安室によると、大きな壁になっているのが、救急救命士ができる業務が法律によって厳しく定められており、新型コロナの抗原検査キットの使用はできないことだという。

 どうすればいいのか――。キットは薬局でも購入でき、患者本人や家族が検査することはできる。救急車にキットを常備し、本人や家族に検査してもらうことができないか検討しているという。県の担当者は「救急救命士が抗原検査をするためには法改正が必要で、時間がかかる。二度とこのようなことがないよう、第8波に備え、医療機関とも連携し対策を検討している」と話した。

 県内のコロナ感染者数は10月以降、最少で107人と、ピークで3千人を超えた第7波に比べ落ち着いているが、前週比で増減を繰り返しており、減少のペースが落ちている。(倉富竜太)

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