北朝鮮がミサイル発射 日本上空通過、飛距離4600キロは過去最長

[PR]

 北朝鮮が4日午前7時22分ごろ、内陸部から弾道ミサイル1発を東方向に発射した。7時29分ごろに青森県付近の日本上空を通過し、7時44分ごろ、太平洋上の日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定される。日本の上空を通過するのは、2017年9月15日以来。岸田文雄首相は4日午前、記者団に「最近の度重なる弾道ミサイル発射に続く暴挙で、強く非難する」と述べた。

 政府は発射直後に全国瞬時警報システムJアラート)で国民に情報を伝え、避難を呼びかけた。Jアラートの発動は17年9月以来。落下による被害が想定されなかったため、自衛隊による迎撃措置はとらなかった。国家安全保障会議も開催。情報を集約、分析し、さらなる発射に備え、警戒監視に当たることなどを確認した。

 海上保安庁によると、4日午前11時現在、日本の船舶に被害は確認されていないという。

 松野博一官房長官は4日午前の記者会見で、ミサイルの飛距離は約4600キロ、最高高度は約1千キロと推定していると発表した。飛距離は過去最長。通常軌道であることも明らかにした。17年9月に北海道上空を通過したミサイルは、最高高度約800キロ、飛行距離は約3700キロだった。

 浜田靖一防衛相は記者団に対し、今回の北朝鮮の弾道ミサイルについて、中距離弾道ミサイル(IRBM)以上の射程を持つ可能性があると指摘した上で、過去に4回発射した「火星12」と同型の可能性があると述べた。

 防衛省によると、「火星12」は液体燃料方式とみられるIRBM級弾道ミサイルで、過去4回のうち、17年5月14日と今年1月30日は通常より高い角度で打ち上げて飛距離を抑える「ロフテッド軌道」と呼ばれる発射だった。通常の軌道で発射された場合、射程は最大で約5千キロに達するとみられる。

 日本政府によると、秋葉剛男・国家安全保障局長は4日午前、サリバン米国家安全保障担当大統領補佐官と電話で対応を協議した。日米・日米韓を始めとする関係各国や国際社会との協力をさらに強化していくことで一致した。

 外務省の船越健裕アジア大洋州局長、米国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国外交省の金健(キムゴン)・朝鮮半島平和交渉本部長は4日午前、電話で協議した。先週1週間で4回にものぼる弾道ミサイル発射に続き、日本上空を通過する形での発射を強く非難。国連安全保障理事会でのさらなる対応や日米韓の安全保障協力など抑止力強化に向けて緊密に連携することを改めて確認した。

 韓国軍によると、北朝鮮は北部の慈江道舞坪里付近から中距離弾道ミサイルを発射した。中距離弾道ミサイルなら米軍基地のあるグアムまで射程におさめることになる。

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は4日朝、記者団に対し「無謀な挑発は、韓国軍をはじめとする同盟国や国際社会の決然とした対応に直面するだろう」と述べて、北朝鮮を牽制(けんせい)した。