【アーカイブ】(人生の贈りもの)アントニオ猪木:3 ミエを切っているんだよ
【2007年6月13日夕刊】
本当はもう戻るつもりはなかったんだけど、あまりにも元気がないから。方向性を失って迷子になっている。やっぱり猪木を育てたのはプロレスだから。
あの腰からたたき込んでいく空手チョップ、あの迫力は誰にもマネできない。形じゃない。朝鮮人が差別される中、自分を隠してヒーローにならざるをえなかった怨念(おんねん)がすべて込められていたと思う。敗戦に打ちひしがれた日本人は、その怨念に共感したんですよ。
日本のプロレスはアメリカの…