11年半「住民ゼロ」だった青い空の町 移り住む男性の決意と希望

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福地慶太郎
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 1日朝、真っ青な秋の空が、東京から来た男性を迎え入れた。東京電力福島第一原発から北西に4キロ。荒廃した家や雑草が伸び放題の空き地が目立つ福島県双葉町内の多くの地域とは対照的に、JR双葉駅の西口は青々とした森を背に真新しい町営住宅がずらりと並ぶ。

 この日は町営住宅への入居の開始日。劇作家の谷賢一さん(40)は、これから生活を始める住宅の前に立ち、声を弾ませた。「双葉町に人が立ち入れない頃から見ているので、住めるのは信じられない。非常にワクワクしている」

 隣接する浪江町出身の母と福島第一原発などで働いた技術者の父を持つ谷さんは同県石川町で生まれ、幼い頃に千葉県内に引っ越した。小中学生の頃に父から「原発には最先端の技術があって、ぴかぴかしている」と聞き、漠然と「すごいもの」と思っていた。だが17歳の頃、茨城県東海村核燃料加工会社で社員が死亡する臨界事故が起き、衝撃を受けた。「放射能で人が死ぬのか」

「なぜ福島に」 疑問を描いて

 大学で演劇学を専攻し、在学…

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