猪木流の外交「体張って現地へ」 重ねた訪朝、師匠・力道山への思い

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編集委員・北野隆一
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 アントニオ猪木さんが亡くなった。

 北朝鮮による拉致問題を20年以上取材してきた私にとって、33回訪朝し、スポーツ交流による日朝関係改善を訴え続けた猪木さんはずっと話を聞きたい相手だった。

 近年は難病「心アミロイドーシス」などの闘病生活を送っていると伝えられ、コロナ禍のなかで取材は困難かと思われた。

 インタビューに応じてもらえるかもしれない、と思ったのは昨年11月。NHKの密着取材に応じたドキュメンタリー番組が放送されたのがきっかけだった。

 「北朝鮮に乗り込んで要人との会見を重ねた猪木さんが、日朝交流に努めた足跡を記事でお伝えしたい」

 そう手紙を書いたら、しばらくしてマネジャーから返事が来た。

 「リモートで20分だけなら、応じられます」

 取材ができたのは、今年5月4日。限られた時間でできるだけ多くの話を聞きたいと、猪木さんの足跡を年表にまとめ、質問リストを用意して取材に臨んだ。

 画面の向こうの猪木さんは、手紙とともに送った、私の拉致問題の記事を手元に置いていた。

 冒頭から焦っていくつもの質問を詰め込んで聞こうとすると、猪木さんはそれを制するようなゆっくりとした口調で語り始めた。

 最初に語ったのは、師匠の力道山さんと北朝鮮との関わりだった。

 「力道山はとても怖い人だっ…

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