反基地運動の先駆け「内灘闘争」から70年 教授らシンポ

小島弘之
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 戦後日本で起きた反基地運動の先駆けとされる「内灘闘争」から70年。舞台となった石川県内灘町で2日、「内灘砂丘フェスティバル」(同実行委員会主催)が開かれ、闘争に詳しい大学教授らのシンポジウムがあった。

 内灘闘争は1952年の内灘村(当時)に、米軍砲弾試射場建設による土地接収問題が降ってわいたことに始まる。翌53年には試射場が造られ、村民の生活の場だった砂丘に砲声が響き渡った。村の「おかか(女性)」らが試射場付近で抗議の座り込みを実施し、全国から労働者や学生が応援に駆けつけた。試射場は57年まで存続した。

 町文化会館でのシンポには金沢星稜大の本康宏史教授ら5人が参加した。本康教授は、70年間で記録類は充実した一方、経験者の減少で「記憶の喪失が深刻な課題になる」と指摘。今後、美術や文学の活用が当時の記憶を継承する一つの方法になる、と提起した。闘争を題材にしたアート制作に携わる東大の星野太准教授も「歴史的資料とは異なる仕方で過去の出来事を語ることができる」と、芸術表現の可能性に触れた。

 沖縄の社会運動に詳しい東京外国語大の上原こずえ准教授は、沖縄の基地闘争について紹介。他の登壇者は「内灘から米軍基地が無くなって良かった、で終わりではない。内灘と沖縄の問題は地続きにある」などと述べた。

 フェスでは、内灘中学2年坂下幸太郎さんのピアノ演奏や、内灘町育ちのNHK交響楽団コントラバス奏者・岡本潤さんらによるコンサートも催された。(小島弘之)