アイヌ民族の丸木舟、30年ぶり新調 製作に4カ月「祖先はすごい」

松本英仁
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 北海道千歳市千歳川河畔で2日、アイヌ民族丸木舟(チプ)を新たに作った時に豊漁や安全を神々に祈る伝統儀式「チプサンケ」が行われた。千歳アイヌ協会(中村吉雄会長、54人)が主催した。

 水や川、木などの神々に祈りを捧げた後、女性たちの手拍子と祝い歌に合わせて、男性たちが2そうのチプをゆっくりと進水させた。チプは長さ約7メートル、最大幅約50センチ。樹齢250年ほどのカツラ材を使い4カ月かけて作った。材料や製作設備の費用に国のアイヌ政策推進交付金626万円を使った。

 同協会は昨年にもこの交付金を使い、30年ぶりに2そうのチプを作った。31年前のチプが現存しており、当時製作に関わった上野政記さん(69)の記憶や製作の様子を撮影したビデオ映像をもとに再現した。

 上野さんは「舟の均衡を保つのに重要な船底を作るのが最も難しい。伝統的なチプはもっと幅が狭い。十分な工具がなくても、立派なチプをつくっていた祖先たちはすごい」と話した。(松本英仁)

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