「独り言うるさい」障害者への差別的文書配布の大分県職員が謝罪
障害者グループホーム建設のため大分市で開かれた地元説明会で、大分県の50代の男性職員が障害者への差別的な文書を配っていた問題を受けて、地区住民らが2日、「障がい者の方々への理解を深めるための学習会」を市内の公民館で開いた。
学習会は非公開で、住民約10人が参加し、30分間行われた。出席した住民によると、男性職員が冒頭、「グループホーム説明会での反省点とその後に学んだこと」と題して話し、頭を下げて謝罪したという。住民は「本人はえらく反省していた」と語った。
その後、県障害者社会参加推進室の担当者が、「障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例」のパンフレットを配布し、県の取り組みを説明したという。
グループホームを運営する大分市の福祉事業者の代表は朝日新聞の取材に、「学習会には出席できなかったが、二度とこのような差別的行動がないようにしてもらいたい」と語った。
男性職員は今年1月30日に、福祉事業者が大分市内の公民館で開いた地元説明会に住民として参加し、集まった約40人に「障害者グループホームで起きるトラブル」と題した文書を配布した。文書には、障害者が「行方不明」「騒音」「暴力」などの問題行動を引き起こすとし、具体例として「大声や奇声、独り言がうるさい」「ゴミ収集所で、ゴミをあさる」などと記されていた。
事業者によると、男性は「入所者の方が迷惑行為を起こした時に、その方に退去を促すとかはできないんですか」「入所の前のトラブル履歴とかそういうことっていうのは一切知らされないんですかね」と、障害者に対する侮蔑ともいえる発言を約2時間繰り返し、居合わせた障害者が精神的ショックを受けたという。
県は「公務員としての資質に問題があったが、懲戒処分には該当しない」として口頭注意していた。(倉富竜太)
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