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白杖がわりにAIスーツケースを 失明した日本科学未来館長の挑戦

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瀬川茂子
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 視覚障害者が自由に旅を楽しめるようにナビゲーターとなる「AIスーツケース」。開発しているのは、IBMフェローで日本科学未来館長でもある浅川智恵子さんだ。

 浅川さんは、けががもとで14歳のときに失明した。その時、直面した二つの困難は、情報にアクセスできないことと、ひとりで学校や買い物に行けなくなったことだったという。浅川さんはこの困難を解決する道を切り開き続けてきた。

 1985年にIBM入社後、視覚障害者が使いやすい技術の開発に取り組んだ。97年には、世界初となる実用的な視覚障害者向けの音声ブラウザー「ホームページ・リーダー」を開発した。文字が音声で読み上げられ、世界の視覚障害者がインターネットの情報にアクセスしやすくなった。2019年、全米発明家殿堂入りしている。

 浅川さんがいま取り組んでいるのが、視覚障害者のためのナビゲーションロボット「AIスーツケース」だ。

 出張が多く、空港で迷うこともあった浅川さんが、白杖(はくじょう)がわりのスーツケースがあったらいいと思ったことが開発のきっかけだという。盲導犬のようにAIが誘導してくれ、白杖で確かめるかわりに一歩先の情報がわかる。スマホと連携して、あらかじめ登録された地図情報と位置情報から目的地までのルートを探し、ハンドルの振動で進行方向を知らせ、周囲の店も教えてくれる。国内外の実証試験でデータを蓄積しつつある。

乗り越えなければならない「社会実装の壁」

 「いい技術を発明するだけで…

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