「レズビアンだと言え」警察官にたたかれ…祖国から逃れるしかない
「レズビアンだと言え」
警察官が木の棒で、繰り返し背中や足をたたく。女性はついに「そうです」と答えた。警察官は一緒に捕まった女性に目をやり、「じゃあ見せてみろ」と言った。
アフリカ東部、ウガンダのある警察署で女性は2017年、同性愛を理由に暴行を受けたと記者に語った。女性は日本で難民として保護を求めている。
証言によると、女性は高校生の時から同性愛者のグループにいた。家は貧しく、高校を中退すると「親に売られて」、20歳以上年上の男性と結婚した。
やがて不本意な妊娠をしたが、酒に酔った夫からの暴力で流産。実家に逃げたが、怒った両親は家に入れてくれなかった。ほかに行くあてもなく、同性愛のグループの仲間を頼り、女性のパートナーと暮らした。
ある日、パートナーとは別の女性と一緒にいたところ、警察官が現れた。母親が通報したに違いない、と思っている。
ウガンダで同性間の性行為は違法で、最高で終身刑だ。手続きの問題で無効になったが、13年には議会が反同性愛法も可決している。
女性は警察署で暴行を受けた後、勾留され、農場で働かされた。だが暴行でひどく負傷し、歩くことができなくなった。
母親が面会に来た後、釈放され入院した。母親が豚を売って金を工面したという。
国外へ逃げるしかない。そう決意した。
行き先は欧州でなく…「選択肢はない」

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