ヒッタイト帝国の起源に迫る 日本の調査隊、トルコで相次ぐ発見

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編集委員・永井靖二
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 「鉄と軽戦車」で古代オリエント世界に覇を唱えたヒッタイト帝国。トルコでその遺跡を発掘する日本の調査隊が、意外な出土物に相次いで遭遇している。隣り合うメソポタミアで「謎の古代王国」を築いたとされる民族が、実は帝国の成立に深い関係にあった可能性が浮かんでいるという。

 現場はトルコ・アナトリア地方の中央部にあるビュクリュカレ遺跡。日本の「中近東文化センター付属アナトリア考古学研究所」(JIAA、大村幸弘所長)が、2009年から発掘している。JIAAは1986年からヒッタイトの中心地だったアナトリアで遺跡の発掘に取り組み、現在、この遺跡を含む計3カ所で調査を進めている。

 ヒッタイトは約3700年前に興った。世界史上で初めて鉄器を普及させて約3400年前に最盛期を迎え、約3200年前にこつぜんと姿を消した。

 約3700年前の古代オリエ…

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