生活保護、同居の孫の収入増だけで不支給「違法」 処分取り消す判決

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吉田啓
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 生活保護を受けていた熊本県の男性が、看護学校に通いながら働く同居の孫の収入が増えたことを理由に不支給とされたのは違法として、県を相手取り、この処分の取り消しを求めた訴訟の判決が3日、熊本地裁であった。中辻雄一朗裁判長は男性の訴えを認め、処分を取り消した。

 訴えによると、男性と妻は孫娘を、離婚した両親に代わって保育園児のときから養育。孫は不登校引きこもりを乗り越え、2014年4月から看護専門学校に通いながら、病院で働いた。

 男性はその前年に仕事中のけがで職を失い、医療費がかさむようになり、同年7月から生活保護の受給を開始。この際、県の福祉事務所は、孫を夫妻と別の世帯にして保護対象から外す「世帯分離」をした。

 その後、孫が准看護師の資格を得て、月5万~6万円だった収入は月12万~16万円に増えた。収入は、学費や通学・通勤費、学校の実習が増えて収入が減った場合への蓄えなどに充てられたが、県は17年2月、これを夫妻と同一世帯の収入として世帯分離を解除。生活保護の支給をやめた。

 男性はこの処分の取り消しを…

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    清川卓史
    (朝日新聞編集委員=社会保障、貧困など)
    2022年10月4日12時29分 投稿
    【視点】

     生活保護を利用する世帯の子どもの進学、自立を考えるうえで非常に意義のある判決だと思いましたので、昨日のニュースですがコメントします。  記事で指摘されているように、判決で「違法」とされた福祉事務所の対応は、国が進める「子どもの貧困」対策