風呂 男女兼用9カ月 修理されず入れ替え制 特別支援学校寄宿舎

小野智美
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 【栃木】知的障害の子が学ぶ那須特別支援学校那須塩原市)の寄宿舎で、故障した浴室が修理されず、ひとつの風呂を男女兼用で使う状況が続いている。県教育委員会は来年3月での寄宿舎の廃止を決めたが、保護者は最低限の生活レベルが保障されていないとして、改善を求める要望書を出した。

 県教委によると、女子浴室が昨年12月に故障して以来、男子浴室を男女兼用にした。入れ替え制で先に女子、次に男子が使う。

 今年9月21日には男子浴室も故障し、いまは別棟の浴室を男女兼用で使っている。

 今年度の寄宿舎生は中高生26人。中2男子の母親は「最低限の生活レベルの保障がなされていないのではないか」と心配する。生徒は入浴時、体や髪の洗い方や着替え方、髪の乾かし方を教わるが、入れ替え制で指導の時間が十分にとれないとも聞いたという。

 PTA会長の鈴木美由紀さんは9月30日、給湯設備修繕に関する要望書を学校に提出した。「子どもたちのために一日でも早く改善を」と求めている。

 鈴木さんは「生活の場である寄宿舎は安全・安心が前提。男子浴室に女子が入ることは安心感がない。思春期の男子も同じでしょう。言葉を発することのできない子どもたちだからそうするのかと考えてしまう。健常な中高生の寄宿舎ではありえないと思う」と話す。

 保護者らは学校から、男子浴室の修繕の見積もりを業者に依頼中との連絡を受けた。女子浴室について、県教委は取材に対し「修理せず現状のまま対応する」と説明しており、男女兼用が解消されるかはわからない。(小野智美)

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    氏岡真弓
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2022年10月11日13時14分 投稿
    【視点】

    ■「健常な中高生ではありえない」 地方版の記事を読んでいて、時々、どきっとすることがあります。 この記事もその一つ。知的障害の子が学ぶ特別支援学校の寄宿舎で、故障した浴室が修理されず、ひとつの風呂を男女兼用で使う状況が続いているというの