ウクライナからの避難者に無料カウンセリング 専門家が母国語で対応

北村有樹子
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 ロシアの侵攻を受けてウクライナから日本に避難してきた人たちの心の不調に対応しようと、京都市の団体が専門家による無料のオンラインカウンセリングを続けている。避難者には命が脅かされた体験や、日本での新しい生活環境などから精神的な負担を訴える人も多く、団体は「相談して助けを求めることは弱さではなく強さ」と利用を呼びかけている。

 カウンセリング事業を始めたのは、外国人女性の支援に取り組む「外国人女性の会パルヨン」。これまでも、日本で暮らす外国人女性を対象に、家庭内暴力やコロナ禍、失業などさまざまな相談に応じてきた。国内には、現在約2千人の避難者がいる。会では「避難者に対する心理的なサポートが足りない。母国語で気軽に心の専門家に相談できる場が必要」と考え、7月から事業を始めた。

 担当するのは、来日して約20年になる花村カテリーナさん(36)と、3月にウクライナから避難してきたジュラベル・オリガさん(44)。2人とも首都キーウ(キエフ)出身で、ウクライナ語とロシア語で相談に乗る。花村さんは日本で臨床心理士の資格を取得し、ジュラベルさんはウクライナの心理士の資格を持つ。

 男女問わず、ウクライナから日本に避難してきた14歳以上の人であれば誰でも相談できる。オンライン会議システム「Zoom」(ズーム)を使う。無料で1回50分。カウンセリングの回数や頻度は、相談者の希望に応じる。

 カウンセリングでは、自分の気持ちを理解し、課題を整理するという。ストレス反応や、強い不安を和らげる方法を学んで、「自己効力感」を取り戻すことを目指している。

 これまでに14人(9月29日時点)の申し込みがあった。女性が8割、男性は2割で、10代~40代が中心。花村さんによると、強いストレスや孤独感、無力感を感じるという相談や、子育てに関する相談が多いという。花村さんは、「生活に慣れるための相談が今は多いが、今後は多様化していくのではないか」とみる。

 ジュラベルさんは「直近では、ウクライナでロシアが核兵器を使うのではと不安を訴える人もいた」という。カウンセリングを続け、孤独感が和らいで安心感を取り戻した人もいる。

 日本財団によると、日本に避難してきたウクライナ人に対するアンケート(回答数260人)では、「不安や困っていること」について複数回答で尋ねると、「睡眠トラブル」をあげた人が26・9%、「孤独感」が25・0%に上った。

 花村さんらは、身近に困っていそうな避難者がいれば「体調はどうですか。困っていることはありますか。あなたの助けになりたい」と、やわらかい言葉をかけるのがいいと指摘する。育児や介護などで忙しい避難者には、「自分を助けることは子どもや高齢者を助けることにつながる。まず自分を大事にしてほしい」として、カウンセリングの利用を呼びかける。

 相談は、パルヨンのホームページ(https://paruyon.com/contact-ukrainian-counseling/別ウインドウで開きます)から申し込む。14歳未満でも、保護者を交えて対応することができるという。(北村有樹子)