死者100人近くに ハリケーン「イアン」直撃した米国で被害拡大

ニューヨーク=遠田寛生
[PR]

 米南部フロリダ州などを襲った大型ハリケーン「イアン」による米国での死者数が、3日の時点で少なくとも100人近くまで増えた。米CNNは3日、「最低でも100人以上が亡くなった」と報じており、犠牲者の数はさらに増える可能性もある。

 最も多くの犠牲が出ているのは直撃したフロリダ州で、9月28日夕に上陸した同州南西部リー郡の保安官は3日、少なくとも54人が死亡したと発表。「恐ろしいほどの被害を受けた。数時間で家や持ち物、洋服すら失った人もいる。胸が張り裂けそうだ」と厳しい表情で話した。

 リー郡から車で北へ30分ほどの位置にあるフロリダ州シャーロット郡は、間接的な原因を含めて23人の死亡を確認したという。フロリダ州によると、監察医の報告としてほかの地域で16人の死者が出ている。

 被害の全容はまだ分かっていないが、ノースカロライナ州で死亡した4人を合わせると、これまでの死者数は97人にまでなった。

 イアンは勢力が5段階で上から2番目に強い「カテゴリー4」のハリケーンとして、9月28日にフロリダ州南西部に上陸し、多くの家屋が倒壊した。

 広範囲にわたり停電も起きており、フロリダ州のデサンティス知事が発表した資料によると、3日午前時点では約59万戸が電気のない状態だったという。バイデン米大統領は9月30日に「米国史上、最もひどい部類に入る可能性がある」と懸念を示した。

 大手格付け会社フィッチ・レーティングスの29日の試算では、イアンによるフロリダ州の経済的被害は250億~400億ドル(約3兆6千億~5兆8千億円)に上る可能性が指摘されている。(ニューヨーク=遠田寛生)