日本の妖怪のイラストを400種あまり描き、英語の解説を付けて世界に発信している米国人絵師がいる。
日本に移住して15年になるマット・マイヤーさん(39)。イラストの書籍化を待ち望む世界中のファンから約9千万円相当の支援金が集まり、この夏に4冊目の「妖怪図鑑」を出した。
人気のわけを探るため、福井市にあるマイヤーさんのアトリエを訪ねた。福井駅から車で10分ほどの住宅街。黒壁の古民家の玄関に「マイヤー」の表札が見えた。
呼び鈴を鳴らすと、眼鏡をかけたマイヤーさんが「ようこそ」と引き戸を開けてくれた。1階の廊下には図鑑が入った段ボールが積んであった。世界各地からの注文に応えるための在庫だという。
2階には10畳ほどの和室のアトリエがあり、棚には民話や浮世絵の書籍が並んでいた。
マイヤーさんのTシャツの胸元には、コロナ禍で有名になった妖怪「アマビエ」がプリントされていた。マスクには大きな口を開けた提灯(ちょうちん)のお化けが。マイヤーさんの口の動きに連動して、お化けが英語混じりの滑らかな日本語を発しているようだった。
ブログの閲覧数、月200万
妖怪づくしのアトリエで、図鑑を広げながら質問した。
――妖怪に着目したきっかけは何ですか?
昔から「ファミコン」やアニ…