金融所得への課税強化を巡り、4日にあった政府税制調査会の会合で、1億円を境に税負担率が下がる「1億円の壁」と呼ばれる問題に是正を求める指摘が相次いだ。岸田文雄首相が昨秋の自民党総裁選で掲げながら先送りしてきた話だが、年末の税制改正に向けて議論が再燃してきた。
「所得税率の構造として大問題。できるだけ早く是正するべきだ」
「正当化は難しい。高所得者への負担強化を議論しなければいけない」
会合では、有識者から「1億円の壁」を問題視する発言が相次いだ。政府税調は、中長期的視点で税制のあり方を検討する組織。実際に税制改正の中身を決めるのは、年末にかけて開かれる与党の税調だが、そこでの議論にも影響を与えそうだ。
「1億円の壁」とは、総所得…