郵政民営化15年 減る売上高 利益はコスト抑制で確保

鈴木康朗、藤田知也
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 2007年10月の郵政民営化から15年が経った。日本郵政グループはこの間、売上高を大幅に減らしながら、コストの抑制などで利益を維持してきた。郵便物の取り扱いは細り、新規事業がふるわず、金融事業もかんぽ生命の不正販売問題のダメージが残る。

 民営化後、最初の通年決算だった08年度と21年度を比べると、グループ全体の売上高は20兆円近くから11兆円台に縮んだ。最大の要因は、かんぽの契約数の激減で、19年発覚の不正販売問題が追い打ちをかけている。

 純利益は2割弱増えた。ゆうちょ銀行が国債中心だった運用資金を、リスクもあるが利回りが高い外国債券などに振り向けた影響が大きい。グループ全体で1割超にあたる約6万人の雇用を削減するなど、人件費を抑制した効果もある。

 全国に約2万4千ある郵便局網はほぼ維持してきたが、サービス自体は縮小傾向。300局超あった24時間窓口は、一昨年春に全廃した。昨秋から「土曜配達」がなくなり、今年は「翌日配達」もなくした。

 日本郵政の増田寛也社長は9月末の会見で、この15年を振り返って「2万4千の郵便局ネットワークを民営化したあとも維持できていることが非常に重要だ」と強調。郵便局の「付加価値」を高めて収益につなげる姿勢を改めて示した。

 日本郵政は、25年度までの5年で最大約2兆円を新規事業やデジタル化などの投資にあて、成長を目指す方針だ。

 ただ、これまでの新規事業は苦戦する例が目立つ。15年に6200億円で買収した豪物流大手は、業績不振で17年3月期に約4千億円の損失を計上することとなった。(鈴木康朗、藤田知也)