「博多和牛」の挑戦 名産地ひしめく九州でねらう下克上

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伊藤隆太郎
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 5年に1度開かれ「和牛のオリンピック」とも呼ばれる全国和牛能力共進会鹿児島大会に、福岡県がブランド「博多和牛」で本格挑戦する。大会は「肉牛」「種牛(しゅぎゅう)」の2部門があり、福岡は5年前の前回大会に「肉牛」で初出場した。今回は種牛にも出場し、念願の上位入賞を目指す。

 牛肉の名産地がひしめく九州で福岡の知名度は低い。佐賀の「佐賀牛」や大分の「豊後牛」。肉用牛の産出額では鹿児島は全国トップで、宮崎3位、熊本4位、長崎7位と上位を九州が占める。「存在感を増したい」という福岡関係者の切なる願いが「博多和牛」の名に込められている。

 もともと福岡は「福岡牛」で勝負してきた。高級志向の他の産地と差別化し、値段の手頃さを前面に打ち出してきたが、広がりはいま一歩だった。

 そこで路線を改めて一新を図る。2000年代に牛海綿状脳症(BSE)による深刻な危機もきっかけとなり、牛肉の「安全・安心」への取り組みを強化した。高品質の福岡産を「博多和牛」と名付けて、05年に商標登録。生産拡大と品質向上に励み、今回の本格挑戦にこぎつけた。

 博多和牛とは、県内の登録生産者が1年以上かけて育て、肉質等級で3等級以上を獲得した黒毛和種などを指す。良質な地元の稲わらを飼料に育ち、「やわらかくてジューシーなおいしさ」が特徴だ。

 6日開会の和牛五輪には、体形の美しさなどを審査する種牛の部で2頭が挑む。糸島市小金丸の木村牧場で木村誠一さん(42)が大切に育ててきた17カ月の雌牛「のぞみ号」は、その一頭だ。すくすくと成長して体重400キロを超えた。「背筋がきれいで体もまっすぐ。やさしい顔の美人タイプ」と木村さんは自信を見せる。

 木村牧場では140頭近い繁…

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