生後6カ月~4歳を対象とした米ファイザー社製の新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は5日、国内での製造販売を特例承認した。12歳以上が対象となるオミクロン株の「BA.5」に対応したワクチンも特例承認した。同省は7日に専門家分科会を開き、いずれも予防接種法にもとづく公費接種とする見通し。
これまで小児向けとしては5~11歳が対象のものがあったが、4歳以下の子どもが使えるワクチンは初めてとなる。接種1回あたりの有効成分の量は、5~11歳用のワクチンの3分の1以下で、計3回うつ。1回目から2回目は3週間、2回目から3回目は8週間空けてうつ。米国ではすでに使われている。
ファイザー社による臨床試験では、ワクチンをうった生後6カ月~4歳の体内にある感染を防ぐ「中和抗体」の量を調べたところ、16~25歳がワクチンをうった場合と同程度の有効性を確認できた。7割の発症予防効果があったというデータもある。中国・武漢由来のウイルスをもとにしたワクチンだが、3回目接種でオミクロン株にも有効性を示すとしている。
一方、安全性については、生後6カ月~2歳になるまでで3回目接種後の38度以上の発熱が6・8%、食欲不振が20・2%などが報告されている。死亡例は確認されていない。24日の週から配送され、その後に接種が始まる見込み。
一方、オミクロン株に対応したワクチンは、ファイザー社製に加え、米モデルナ社製でも、「BA.1」に対応したタイプで9月から、高齢者らへの接種が始まっている。BA.5に対応したワクチンの承認を受け、ファイザー製については10日の週の配送からこのタイプへと切り替え、順次接種を始める。11月7日の週までに計約4300万回分を配送する。
接種間隔は5カ月だが、年末年始の感染拡大の可能性も視野に、厚労省は短縮を検討している。
BA.5対応のワクチンは…

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