決勝ゴール、でも「悲しい」 スタジアムの暴動を目撃した日本人選手
スラバヤ=半田尚子
131人が亡くなったインドネシアのプロサッカーの試合後の暴動をめぐり、決勝ゴールを決めた日本人の山本奨選手(25)が当時の状況を明かした。
山本さんは高校卒業後、欧州のクラブで経験を積み、6月からインドネシア第2の都市スラバヤを拠点とする「プルセバヤ・スラバヤ」に所属している。同チームと1日に対戦した「アレマFC」は長年にわたるライバル同士。監督やコーチからは「絶対負けられない相手だ」と口を酸っぱくして言われてきた。
暴動が起きた1日、山本さんはスタメンでピッチに立った。同点で前半を終え、後半5分、右サイドからのパスを受け、左足で勝ち越しのシュートを決めた。
午後10時ごろ、試合終了の笛が鳴った。直後、勝利の余韻を味わう暇もなく、プルセバヤの選手らは全速力でロッカールームへ。警察の用意した装甲車で避難しようとしたが、相手サポーターに囲まれ、2時間近くスタジアムの敷地内で足止めされた。
山本さんは「色んな意味で一生忘れられないゴールになってしまった。多くの人が亡くなり悲しい」と話す。(スラバヤ=半田尚子)
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