メディア空間考 石田博士
朝日新聞デジタル(朝デジ)の発信に携わる者として、インターンなどの学生に向けて「デジタル戦略」について話す機会がある。
いつも緊張する。
この夏のインターン生の場合、多くはゼロ年代生まれだ。米同時多発テロやサッカーのワールドカップ日韓大会のころに生まれた人たち。子どもの頃から手元にスマホがあったデジタルネイティブだ。
彼らにとって、50代の私は親と同世代だ。そんな中年が語る言葉にどれくらいの説得力があるのだろう、と自問する。
ただ自問ばかりしていても仕方ないし、ネットメディアの人と同じ話をしてもつまらない。
そこで、1994年の入社から25年近く、記者として現場を踏んできたキャリアとともに、そんなキャリアが「年を重ねた」だけでは意味がなく、むしろカチンコチンの石頭でマイナスになりかねないフラットな時代に、私たちも愚直に向き合い、学んでいることを伝えることにしている。
この夏、テーマに選んだのはウクライナだ。
8年前、クリミアが突如ロシ…
- 【視点】
■インターンシップの下心をあえて捨ててみる 朝日新聞の博士こと石田博士の筆がさえている。デジタル化の中での朝日新聞の葛藤を吐露した記事であるが、別の視点で言うと、インターンシップの意義というものについて警鐘を乱打するものであり、好感が持