入山料、あなたは払いますか? 登山のコスト、誰が負担すれば

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笠井正基
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 登山者に任意の入山料を求める動きが国立公園で広がっています。登山道やトイレの維持整備は主に山小屋が担ってきましたが、コロナ禍が経営を直撃、厳しい山域もあります。登山の環境を維持する費用は、誰がどう負担するのがよいのか。現場を訪れて考えました。(笠井正基)

 槍ケ岳や穂高連峰がそびえる北アルプス南部の長野県側では、登山道を維持するために任意の協力金を求める実証実験「北アルプストレイルプログラム」が行われている。環境省林野庁、自治体、山小屋関係者らでつくる「北アルプス登山道等維持連絡協議会」が1カ月だけ試みた昨年度に続き、2回目の今年度は通年で登山客らに呼びかけている。

登山道の維持管理、そもそも誰が負担?

 9月、登山口の上高地を訪ねた。実証実験の案内板はバス乗り場近くの目立つ場所に置かれていたが、立ち止まる人は少ない。1口500円からの協力金はオンラインでのクレジット決済や銀行振り込みのほか、山小屋なら現金で支払える。だが、大勢の登山者や観光客らが交じるバス乗り場周辺には協力金箱がなく、現金で支払いたくても払えない。

 そもそも、登山道の維持管理…

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