うがい薬の混乱で反省も口に 再選出馬の判断は 吉村・大阪府知事
残りの任期が約半年となった大阪府の吉村洋文知事がこのほど、朝日新聞のインタビューに応じた。新型コロナの「第8波」に向けた備えや、カジノを含む統合型リゾート(IR)、大阪・関西万博といった政策課題の展望のほか、来春の知事選への立候補の判断についても聞いた。
――新型コロナウイルスで、大阪府では死者数が全国最多となった
正解がない中で、そのとき必要だと思うことを判断し、実行してきた。第6波のとき、「若い方が自宅で亡くなっては絶対にいけない」という思いで「大規模医療・療養センター」を作った。しかし、オミクロン株で性質がすごく変わった。若年層の肺炎は極めて少なくなり、感染力の強さから高齢者施設の中へ広がった。予測できない範囲だった。高齢者施設は府内に約3700施設あり、全国で一番多い。ワクチン接種や(施設スタッフへの)頻回検査をもっと早く進められたらよかったと思う。
――第6波の教訓は第7波に生かせたか
生かせた。「高齢者医療介護臨時センター」を設置し、頻回検査やワクチンの4回目接種にも力を入れた。死亡率は第6波で0・27%だったが、第7波は0・10%。約3分の1に低下した。第7波の死亡率の全国平均は0・11%。全国平均と同じか、低いぐらいだった。
――コロナ禍の1年目にはうがい薬の奨励を呼びかけ、品切れなどの混乱も起きた
やっぱり、僕の発信の仕方の問題はあったと思う。ただ、デメリットが少ないならば、チャレンジすべきだというのが基本的な考え方だ。当時はワクチンもなく、薬もない状態だった。必要な発信はこれからも続けたいし、それが政治家の役割だと思っている。
――知事としての残り任期半年で、最大の課題は
コロナだ。冬にはインフルエンザと同時流行する可能性がある。重症化率・死亡率は下がっているので、コロナと共存しながら飲食・観光業などの成長やにぎわいを取り戻す大阪を肌で感じられるようにしたい。また、大阪維新の会代表として責任を持って、大阪市長選予備選で候補予定者を決めたい。
――知事の2期目を目指すの…