34歳誕生日に満塁弾 柳田悠岐が続ける「不敗神話」
(9日 ソフトバンク8―2西武)
福岡ソフトバンクホークスをCS最終Sに導いたのは、柳田悠岐のバットだった。
三回2死満塁。1ストライクからの2球目、真ん中低めの136キロのスライダーだった。「来た球に反応した。駄目で元々という感じでいったら、たまたまいい結果になった」。バットに乗せた打球は右翼テラス席に飛び込んだ。2試合連続、レギュラーシーズンを含めれば4試合連続の一発となる先制グランドスラムで、試合の流れを引き寄せた。
これで、日本シリーズを含め、ポストシーズンで放った本塁打は11本になった。いずれもチームの勝利に結びつき、負けなし。無類の勝負強さを見せつけている。さらに、この日は34歳の誕生日だった。「誕生日の本塁打は記憶にない。思い出に残ります」と笑みをこぼした。
主砲の一振りで、打線も勢いづく。四回に甲斐拓也が右前適時打で1点を追加。七回には三森大貴、牧原大成の適時打で2点を加えるなど、11安打8得点の快勝。埼玉西武ライオンズに2連勝し、これでポストシーズンは2019年のCS第1ステージ2戦目から18連勝だ。
藤本博史監督は「(今季最終戦で千葉ロッテマリーンズに敗れ、優勝を逃した)10月2日の悔しい思いをCSにぶつけようと選手一丸となっている」とうなずく。12日からは敵地でオリックス・バファローズと戦う。「全員で泥臭く1点、1点を積み重ねるしかない」と指揮官。優勝を逃した悔しさを振り払うには「勝利」の2文字しかない。(鷹見正之)
東浜(ソ) CS初勝利。「個人成績よりもチームが勝つことが大前提。でも、ここで勝ちがついて、次に良い形で入れると思う。柳田さんの満塁弾? やっぱりスターだなと。すごいの一言です」
西武は点の取られ方が……
埼玉西武ライオンズは悪い点の取られ方の典型だった。
三回、先発の今井達也が、福岡ソフトバンクホークス先頭の柳町達に四球。犠打を挟んでさらに二つの四死球を与え、2死満塁で柳田悠岐に本塁打を浴びた。
「ランナーをためて(柳田に)回してしまったことが悔やまれます」と今井。下位打線への四球からピンチを広げ、上位打線にやられるのは、前日の高橋光成と同様の形だった。
今季の西武は「投手王国復活」を掲げた。とりわけ意識したのは、与四球を減らすこと。ストライクゾーンに強い球を投げることを徹底し、レギュラーシーズンは昨季の597個から436個に減らした。防御率も1点以上改善された。しかし、CSの重圧の中では、シーズンと同じことができなかった。
山川(西) 九回に一発。「昨日も今日も、さすがギータさん(柳田)だなと思わされました。僕もあのような選手にならなければと思います」
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