13世紀の建物跡、鎌倉御家人を弔った施設? 過去に小刀や数珠も

村野英一
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 鎌倉幕府の御家人の葬送施設とみられる建物の跡が神奈川県小田原市久野で発掘された。同時に出土した中国の青磁から13世紀の建物と推定。市文化財課によると、鎌倉時代の御家人に関する遺跡が同市で見つかったのは初めてという。

 同市立病院の新病院建設に伴う約2千平方メートルの発掘で、方形竪穴状遺構とともに掘立柱建物跡を確認。建物跡は約200平方メートルに、柱の跡とされる穴が約170基もある。長期間維持された建物が改築されるたびに、別の位置に穴を開けたとみられる。

 市立病院の隣の総合医療福祉会館の敷地からは小刀や数珠などの副葬品を伴う墓地が過去に発掘され、今回も人骨の可能性がある骨が見つかった。このため掘立柱建物は、武士が死者や故人を弔った墳墓堂か持仏堂といった施設だったと、同課はみている。

 鎌倉時代の小田原には、関ケ原の戦いで知られる小早川秀秋の祖先の小早川氏らの武士団がいたことが吾妻鏡などでわかるが、考古学上の証拠はこれまでなかったという。新病院建設地では今後、古代・古墳時代の遺跡を調査する。(村野英一)

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