コロナ禍で外出が減ったのが逆風になり、経営が苦しい企業が目立つファッション業界。おもに量販店向けの衣料品を出荷している繊維商社タキヒヨー(名古屋市)は、従業員の2割にあたる150人程度の希望退職を募った。だが応じたのは95人にとどまった。
滝一夫社長は12日の決算会見で「それはそれでよかったと思っている。これが300人だったら、もっとがっかりする」とうち明けた。
「約100人の方が会社からいなくなった。とても悲しいこと。責任を強く感じている」。滝社長はそう述べたうえで、「こんなことを何回もやっていたら、会社はもぬけの殻になる。それだったらタキヒヨーをたたんだほうがよい」と述べ、追加の募集はしないと明言した。
タキヒヨーは、カジュアル衣料品店「しまむら」の主要な取引先の一つ。この日に発表した2022年8月中間決算は、売上高が前年同期比11.5%増の285億円で、純損益は4億円の赤字だった。23年2月期通期の純損益も6億円の赤字になりそうで、3年連続の赤字決算を見込んでいる。
希望退職による人員削減が計…