メタバース美術館で楽しむ広重の肉筆画 裏面やばれんの摺り跡も
上林格
【動画】メタバース上の美術館「MiraVerseミュージアム 広重」=(C)TOPPAN INC. /協力:広重美術館(天童市)
ゲームの世界で知られるインターネット上の仮想空間「メタバース」が、美術や避難訓練にも活用されだしている。あたかも現実のように正確に再現された世界が新たな気づきや楽しみを生み出している。
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展示ケースのない仮想美術館
浮世絵師・歌川広重の初代~5代の作品を網羅する広重美術館(山形県天童市)は6月、メタバース上の美術館「MiraVerse(R)(ミラバース)ミュージアム 広重」をオープンさせた。
江戸時代、天童藩は藩士とつきあいがあった広重に肉筆画の制作を依頼し、借金をした富裕層への返礼として送っていた。その作品群は「天童広重」の名でしられる。
そのゆかりの地に立つ美術館はコロナ禍で臨時休館に追い込まれた。そのため、浮世絵版画や肉筆画など所蔵品の活用法を凸版印刷(東京都)に相談。同社が提供するVR空間のシステムサービス「ミラバース」の運用を提案された。
美術館の作品などを高精細な…