自民が「危機的状況」 維新に敗北続く大阪、悩むダブル選

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新谷千布美
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 来春の大阪府知事・市長のダブル選まで残り半年と迫るなか、大阪維新の会と対峙(たいじ)する自民党の候補擁立が見通せていない。両首長ポストを一つでも制し、維新の政治基盤を崩したい考えだが、党内には擁立に対して消極論さえある。維新以外の主要政党と連携して挑む「維新包囲網」の構築に向けても、まだ足並みはそろっていない状況だ。

 15日に大阪市内で開かれた自民党大阪府連の大会。ダブル選と同日実施される来春の府議選や大阪市議選などに向け、第1次公認候補予定者90人を発表した。

 府連会長の宗清皇一衆院議員は壇上でこう発破をかけた。「全員当選を目指したい。そのためには一人ひとりが地域の有権者の期待に応え、血のにじむような努力をしていくしかない」

課題は「地方議員の少なさ」

 大阪の自民党は昨秋の衆院選で、候補者を立てた府内の15小選挙区で維新に全敗。党所属の府内の地方議員は今月7日時点で、維新245人に対して150人。国会議員の数も、維新の20人に対し、5人にとどまる。

 府連は昨年12月、大敗した衆院選の総括で、維新との戦いを「個人商店と企業の戦い」と表現。統一的で組織的な選挙運動が出来ていなかったと反省し、今夏の参院選を「反転攻勢のきっかけ」にしたいとしていた。しかし、結果は2位で、トップの維新候補者に約14万票の差をつけられた。政党への比例票も、昨秋の衆院選から約8万5千票減らしている。

 参院選後に指摘された原因は、地方議員の少なさだった。この日の大会で決まった今後の活動方針では、現状を「危機的状況」と表現し、立て直しに向け政党の「足腰」である地方議員の増員を目標に掲げた。

 大会後の報道陣の取材に、宗清氏は「各議会で第1会派を目指す姿勢が重要。1人でも増やすよう、各地の支部にお願いした」と語った。

見通せないダブル選

 ただ、頭を悩ませているのがダブル選への対応だ。

 維新側は、現市長の松井一郎・維新前代表が任期満了での政界引退を表明。このため市長選には新顔を擁立する見通しとなり、候補者の予備選を企画して知名度向上に動き始めている。

 これに対し、自民党の川嶋広稔・市議団幹事長は報道陣に「必ず(候補者を)出そうと動いている」と強調する一方、「出てくれる人はそう簡単に見つからない」とも漏らす。

 より難航が予想されるのが…

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