第3回娘の「もう無理」で我に返った 塾なし中学受験、小6秋の決断の行方
高浜行人
中学受験に臨む子どもに塾通いをさせず、家庭教師もつけない。
東京都三鷹市の自営業男性(46)は、そんな選択をした保護者の一人だ。
妻と中1の長女、小2の長男の4人暮らし。10年ほど前に出版社を退職してフリーになった。
自宅に事務所を併設し、ホームページ制作などの仕事をしている。もともと在宅での仕事が多く、時間は比較的、自由になる。
長女が中学受験に向けた勉強を始めたのは、小4のとき。
男性は、お金の代わりに、自らの時間を惜しみなく使って教えると決断。長女は「塾なし、家庭教師なし」で勉強し、今春、本番に臨んだ。
中学受験をするなら大手塾へ。首都圏では「王道」ともいえるそんなルートをとらずに、男性は塾なし、家庭教師なしで受験させる道を選択しました。親子が2年間で取り組んだ勉強法と、その結果は。かかった費用の総額は――。
「受験したい」 娘の本気度を見定めるためにやったこと
「話がある」
3年前のある日、当時小4の…
- 【視点】
「塾なし中学受験」をするにしても、「塾なし」が子ども本人の意志であることが大前提だ。塾選びや学校選びに子どもの意思確認が必要なのと同じだ。 「塾なし中学受験」は、塾に行かないから楽なわけではなくて、親子ともに精神的な負荷が相当にかかる。私