市川と印西がトップ　最下位は袖ケ浦と匝瑳　政活費の情報公開度

田中久稔2022年10月16日 10時45分

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　千葉県市民オンブズマン連絡会議は、初めて県内全37市議会を対象に政務活動費の情報公開度を調査した。2021年度の交付分について領収書や活動報告書などの公開度合いを採点した結果、市川と印西が95点でトップだった。一方、袖ケ浦と匝瑳が17点で最下位になった。

　議員報酬とは別に、調査研究に必要な経費として交付される政務活動費をめぐっては、全国市民オンブズマン連絡会議が毎年、都道府県・政令指定市・中核市議会の情報公開度を調査している。全国連絡会議の担当弁護士の提案を受け、県連絡会議は一般の市を含めて現状を調べることにした。

　調査は、全国調査と同じ質問項目と採点基準で、8月下旬～9月上旬に実施。開示情報の種類や住民による情報へのアクセスのしやすさを重視した内容で、領収書原本を議長に提出しているか▽報告書の作成を義務づけているか▽公開にあたり請求手続きが必要か▽ネット上で公開しているか――などを尋ねた。全国調査で把握した千葉、船橋、柏の3市議会の結果とあわせて、100点満点でランク付けをした。

　県連絡会議は今月11日、結果を発表。それによると、領収書の原本提出をしているのは32議会（86%）。関係書類のネット公開については、領収書が27議会（73%）、会計帳簿が19議会（51%）、活動報告書が7議会（19%）、視察報告書が11議会（30%）、具体的な支出基準を記したマニュアルが13議会（35%）だった。

　市川と印西は、領収書のうち個人名の支払先を非公開とする点を除き、すべての項目で満点だった。計50点以上となったのは22議会（59%）だった。

　領収書の原本提出をする議会は予想以上に多かったといい、県連絡会議代表幹事の広瀬理夫弁護士は「各議会の事務局が各地の状況を把握し、それなりに努力したようだ」と評価した。その上で、県連絡会議は各市議会宛てに、政務活動費の使い道について一層の「透明性の確保」を求める申入書を送った。（田中久稔）

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　全国市民オンブズマン連絡会議は9月、都道府県議会などを対象にした今年度の政務活動費情報公開度ランキングを発表した。千葉県議会は2020年度から変わらず100点満点中35点で、47都道府県中32位（20年度30位、21年度33位）だった。

　今年5月時点の各議会の制度を調べ、ランク付けした。発表によると、県議会では、領収書の原本ではなく写しを議長に提出することにしている。活動報告書の作成は義務づけられていない。具体的な支出基準を記したマニュアルを除いて関係書類のネット公開もしていない。県連絡会議は「一昨年から改善されたところが一つもない」と指摘し、領収書原本の提出義務づけなどを今月11日、県議会に申し入れた。

　全国の政令指定市のランキングでは、千葉市は42点（20市中12位）だった。会計帳簿の提出義務づけとネット公開を始めたことで、20年度と21年度の22点から改善された。中核市では、柏市が75点（62市中22位）で、20年度50点（44位）、21年度70点（28位）に続き情報公開が進展している。一方、船橋市は20年度から変わらず27点となり、60位（20年度54位、21年度58位）だった。