読んだ内容半分だけ 「1強」習近平氏の余裕と、読まなかったリスク
北京=冨名腰隆 北京=西山明宏 聞き手・山根祐作
16日開幕した中国共産党大会は、習近平(シーチンピン)総書記(国家主席)の3期目への続投を決める場になるとみられる。1強体制を固めた習氏は今後の方針を示す政治報告で「団結奮闘」を呼びかけ、台湾統一への意欲も示した。独自の政治体制で「強さ」を追うことに自信を見せる習氏だが、深まる米中対立や経済の落ち込みなどリスクもつきまとう。
午前10時過ぎ、中国共産党のシンボルカラーである赤いネクタイを締めた習氏が自信満々に政治報告を読み上げ始めた。人民大会堂に集まった約2300人の代表は、習氏の演説が一区切りするたびに、拍手で賛意を示した。
2017年の前回党大会の演説はやや興奮気味にも見えた習氏の表情だったが、この日は余裕すら感じさせた。最大の違いは、置かれた立場だ。
前回は党大会直前に憲法改正…
- 【視点】
演説の所要時間が前回の党大会に比べて半減したので、それが何を意味するのかと思いを巡らせていました。ところが、演説後に公表された政治報告の全文は、習近平総書記が壇上で読み上げた分量の倍もありました。「俺は半分ほど読み上げる。残りは読んでおきな