「タイムだけ追うロボット」ではなく 小平奈緒、ラストラン前の告白
競技人生は決断の連続だった。その度、「進むべき道は自分で決めてきた」とスピードスケート、小平奈緒(相沢病院)。迷うことなく駆け抜けてきた自負がある。現役最後の決断は、スケート靴を脱ぐことだった。全日本距離別選手権で女王は引退する。22日、ラストレースの号砲が鳴る。
心ならずもその日がついに来た、ということ? インタビューで向かい合った彼女は、質問に優しく首を振った。
「何となくこのぐらいの年齢で次のステップに進みたいと思っていました」
5月で36歳になった。
「スケートの世界だけじゃない、違う世界も見てみたかったから」
10月のレースを最後にすると決めたのは、この春。未練や迷いなどない。人生の分岐点に立った時、いつだって覚悟と責任を持って決断をしてきた。
2人の姉を追ってスケートを始めた3歳の時もそうだった。
「本当にやりたいの?」
「ずっと続けられる?」
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