エチオピア北部の戦闘また激化 国連「制御不能に陥りつつある」

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ヨハネスブルク=遠藤雄司
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 エチオピア北部ティグライ州での政府軍と反政府勢力との紛争が始まってから2年を前に、戦闘が再び激化している。14日には民間人3人が戦闘に巻き込まれて死亡した。国連のグテーレス事務総長は17日の会見で、「エチオピアの状況は制御不能に陥りつつある」と表現し、双方に即時の停戦を呼びかけた。

 現地で活動するNGO国際救済委員会(IRC)によると、ティグライ州北部の町シレで女性や子どもたちに援助物資を届けていた職員が14日、戦闘による爆発に巻き込まれて死亡した。別の職員1人も負傷したほか、近くにいた民間人2人が死亡した。爆発が政府軍、反政府勢力のどちらの攻撃によるものかは明らかになっていない。

 同州では2020年11月、ティグライ人民解放戦線(TPLF)が軍施設を襲撃したとして、アビー首相が政府軍に「反撃」を命じて紛争が始まった。政府軍側として隣国エリトリア軍も参戦し、一時はティグライ州の州都メケレを制圧したものの、その後TPLF側が奪還。紛争は泥沼化している。

 この間、双方による民間人の殺害や性暴力などの人権侵害が数多く報告されてきた。紛争によって昨年の時点で200万人以上が自宅を追われたほか、戦闘が激化している同州には国連やNGOの援助物資が届けられず、多くの人々が食料や医薬品不足に苦しむ状況が続いている。

 こうした状況を打開しようと…

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