第22回中国に「追い越されたとは感じない」 若い世代が探る新しい交流の形

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山根祐作
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 今の日本の若者たちにとって、物心ついたときには、中国はすでに「発展した国」でした。若い世代ほど、中国に対して「親しみを感じる」とする人の割合が高くなるという調査結果もあります。

 彼らの目に中国の姿はどう映り、そして、これからの中国との関係をどう築いていこうとしているのでしょうか。中国に関心を持つ若者たちと、日中関係の歩みを見つめてきた研究者らに話を聞きました。

 「地理のテストのグラフで、一気に伸びている国があったら、中国と答えておけば、まず間違いなかった」

 早稲田大4年の菱井創さん(22)が、中学時代に中国に抱いたイメージは「急激に発展して近代化した国」というものだった。地理の授業で見る鉄鉱石生産量や電力消費量など経済力を示す数値の推移で、2000年代ぐらいから急伸しているのは、中国だけだった。

 小学生だった07~08年には、中国製冷凍ギョーザから農薬成分が検出された事件が大きな問題となった。「中国は怖い国」だと感じた。しかし、その後も続く中国の経済成長の中で、恐れは次第に薄れていった。

 高校2年生のときに、中国の春秋戦国時代を舞台に描いた人気漫画「キングダム」を学校の図書館で全巻読み、「中国の広大さ」を実感した。漢文の授業で、「2千年以上も前の外国語を原文で読める」ことに魅力を感じ、大学では中国の文学や文化を学ぶことにした。

 オランダのライデン大学に留学している楢本珠貴さん(22)は、子どもの頃から世界遺産に興味があり、写真集で世界各地の世界遺産を見るのが好きだった。紫禁城万里の長城など数多くの世界遺産を持つ中国について「文化と歴史の国なんだな。いつか行ってみたいな」と思っていた。

 しかし、12年に日本政府が尖閣諸島を国有化したことをきっかけに、中国各地で反日デモが起きた。その時、テレビで日本車が群衆に破壊される様子を見てショックを受けた。

 「日本と中国はとても近い国なのに、なんでこんなに関係が悪くなるんだろう」

 3年前にオランダに留学して間もなく、中国人留学生と仲良くなった。それまでは「中国人は反日の人が多いから、親しくなれない」というイメージがあった。でも、実際につきあってみると、日本の文化に親しみを持ってくれているし、同じ東アジア出身ということでわかりあえることも多かった。

 「国同士の関係は難しくても、人同士なら仲良くなれる」という事実が新鮮だった。

 専攻した国際学を学ぶ中で、欧州から見ると、「日本と中国が小さな島をめぐって争っているのは不合理だし、経済的にも利益がない」という見方があることも知った。

伝票奪い合う姿が新鮮

 近畿大4年の徳永潤さん(2…

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