裏切られた緩和への期待、くすぶる不満 中国ゼロコロナ維持の公算大
上海=井上亮
中国政府が、移動制限や封鎖を伴う厳格な「ゼロコロナ」政策を当面は続ける公算が大きくなった。共産党大会の後に緩和されるとの見方があったが、習近平(シーチンピン)総書記(国家主席)は16日の政治報告で改めてゼロコロナの成果を強調し、継続を示唆した。長引く規制に、国民の不満はくすぶり続けている。
習氏は、政治報告で過去の成果に触れ、「人民の生命の安全と身体の健康を最大限に守った」と政策を自賛。上海の都市封鎖(ロックダウン)など強硬な手法には反発もあったが、「経済・社会発展の両立に重要で前向きな成果を収めた」と強調した。
中国では今も多くの都市で、PCR検査の陰性証明がないと公共交通機関やスーパーが利用できない。感染者や濃厚接触者が出れば、住宅や地域単位で強制的に封鎖される。飲食店や商業施設もしばしば休業を余儀なくされている。
党大会後は緩和に向かうとの…