円安なのに動かない日銀のなぜ 主要国で大規模緩和は日本だけ
徳島慎也
32年ぶりの安値をつけた歴史的な円安の背景にあるのが、日本銀行の金融緩和政策だ。物価高を抑えるため各国が相次いで利上げを進める中、日本は主要国で唯一、大規模な緩和を続けているため、金利差から円安が加速している。日銀が動かないのはどんな事情があるのか。
「経済を支え、賃金の上昇を伴う形で物価安定の目標を実現することが必要であり、金融緩和を継続することが適当だ」
日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は17日、衆院予算委員会で物価高の認識を問われた際、こう答え、金融緩和を続ける考えを改めて強調した。その後、同日の米ニューヨーク外国為替市場で、円相場は32年ぶりに1ドル=149円台まで下落した。20日には1ドル=150円台までさらに下がった。
ここまで円安が進んだ背景に…

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