• アピタル

睡眠学ぶ「眠育」で「ネット依存傾向改善」 福岡の自治体で試み

有料記事

渡辺純子
[PR]

 睡眠の大切さを教える「睡眠教育(眠育〈みんいく〉)」。福岡県春日市が今年度から、すべての市立小中学校18校で取り組み始めた。六つの小中学校で3年間先行したところ、生活の質を表す数値が上がったり、ネット依存傾向が改善されたりするなどの成果があった。

 約1万1千人の子どもたちが年1回の眠育授業を受け、独自のリーフレットで学び、睡眠日誌の記入をしてアンケートに答える。

 「睡眠は記憶の定着にも重要です」。9月27日午後、春日市立春日野中学校の全校生徒約750人に、筑紫女学園大の大西良・准教授(社会福祉学)が放送室から、教室のテレビを通じて語りかけた。

 睡眠は、成長ホルモンの分泌に深く関係すること。寝る前にスマホ画面を見ると睡眠の質が下がること。休日の朝寝坊は「時差ぼけ」になりがちなので、毎日同じ時間に起きた方がいいこと。生徒たちは真剣に聴きいった。

 45分ほど放送室で話した後、大西さんは3年生の教室へ。「塾が忙しくて寝る暇がない場合はどうすれば」という質問に、「逆に聞いていいですか」と生徒に睡眠時間を尋ねた。本来必要とされる8時間以上はゼロ、6~7時間と5時間以下が半々。大西さんは「せめて昼間に5分でいいから仮眠を取るのもおすすめ」と答えた。

 いつも4~5時間しか寝ないという3年男子は「遅くまで勉強するより、よく寝たほうが記憶が定着すると分かった。勉強中にスマホを触って、余計に寝るのが遅くなっているから、制限しなきゃ」。後藤幸雄校長は「寝なさいと人に言われるより、子ども自身が睡眠の大切さを理解する場になった。保護者の方にも伝えたい」と話した。

午後10時前に寝る小学生が増えた

 同市では今年度、大西准教授…

この記事は有料記事です。残り1402文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません