定年後しぼまぬ人生とは リンダ・グラットン教授から悩める中高年へ

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聞き手・前田育穂
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 人生100年時代をどう生きますか? 早くから蓄財し、早期退職後は自由に暮らすことを意味する英単語をつなげた「FIRE」が注目される中、世界的ベストセラー「LIFE SHIFT」の著者の一人でロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットンさんは、その反対を勧める。「健康で長く働き続けること。年齢を気にするのはやめましょう」

 グラットンさんは9月に死去した英国のエリザベス女王について、「亡くなる直前まで働いた、人生100年時代の並外れたお手本でした」と述べた。日本で多くの高齢者が働いているのも「素晴らしいこと」とし、職場は友人を作ったり体を動かしたりする機会になるなど、金銭報酬以外にもメリットをもたらし、長く働く人ほど長生きする傾向にあることも説明した。

提案する3つの観点 「物語」「探索」、そして…

 ただ、長寿化で働く年月が延びる中、働き方は見直すべきだと指摘。「これまでは定年後、人生がしぼむ人が多かった。今後は、人生が広がるような働き方が必要です」

 提案するのは生涯にわたり学…

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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2022年11月6日9時47分 投稿
    【視点】

    これは個人差があるテーマだなあと感じる。早期退職後は自由に暮らすことを意味する英単語をつなげた「FIRE」に否定的なグラットン氏だが、その生き方を心から楽しんでいる知人もいる。内輪の話で恐縮だけど、夫は60歳できっぱり退職したあと、「仕事ば

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    前田育穂
    (朝日新聞文化部次長=ジェンダー)
    2022年11月9日23時23分 投稿
    【視点】

    長野さん、コメントをありがとうございます。聞き手を務めた前田と申します。ご指摘、おっしゃる通りです。どんな風に年齢を重ねていきたいかや何に幸せを感じるかは人それぞれだと思いますし、たとえ「こうなったらいいな」と願っていても、家庭の事情や自分